2002.02.22  : 学校の色覚検査、03年度から廃止

 

朝日新聞ニュース速報

 

 小学4年の健康診断で行われている色覚検査が03年度から廃止される。文部科学省

が学校保健法施行規則の改正案をまとめた。

 色覚異常は遺伝子の変異のため、色の見え方が通常より少し異なる。日本人では男性

の4.5%、女性の0.2%の合わせて約300万人。大半は生活に支障がない。

 日本では学校の健康診断の項目に入っているが、色覚検査のない欧米では一生、自分

がそうと知らない人も多い。

 学校での一律検査が、進学や就職などで不利益を受ける「色覚差別」につながってき

た、との指摘があり、日本色覚差別撤廃の会などが廃止を訴えていた。

 文科省学校健康教育課は「検査の目的は児童の学校生活に配慮することだった。だが

、日常の不便がほとんどなく、見やすい教材の採用などの方がより適切なので、廃止を

決めた」と話す。改正案について3月4日まで一般の意見を募る。

 厚生労働省も昨年秋、労働安全衛生法に基づき、会社側に義務づけていた新入社員の

健康診断時の色覚検査を廃止している。